想い
和生堂を立ち上げた頃、家系図のご依頼を少しづつ受けるようになり
お応えすべき技術や知識を学んでいく中で、家系図には現代社会に薄れかけている
命の教育、家族、先祖との距離祀り方について大切なことがあると考えるきっかけになりました。
家系譜が将来人々にとり心の拠り所になるのではないかと思いました。
この頃はネット社会において検索エンジンに「家系図」と調べても制作に
関する所は探せず、カテゴリすらありませんでした。
巻物、家系図をキーワードに少しづつ色々な方の目に触れるようになり
今では通販業者、行政書士、他業種、一般の方のご依頼で6000家以上
家系譜を製作してまいりました。
今は多様性の時代 人々の価値観も変わり家系譜のご依頼内容も少しづつ変わり
身分や家柄、功績を残した先祖を証明する家系図が、
未来へ先祖へそして自分の為の系図と役割を変えてきたように思います。
特に最近ではご先祖様の繋がりを身近にする1番の手段として
家系譜を制作し祀る。このようなご依頼も増えております。
人が生きた軌跡、その事を記したものを手にし見てそれぞれが
感じ、想うことはとても大切なことだということを改めて思います。
ご縁を頂いたお客様が祖父母、曽祖父母、もっと以前のご先祖様が残した
系譜を大切にしなくてはと修復にお越しになったり複製の製作をご希望され
家系譜を継なげていきたいと言う強い想いを切実に感じました。
このようなご縁をたくさんいただいた私たちだからこそわかる事
新しく家系譜を作られるお客様の想いは必ず大切に継ながっていくことを
確信をしております。
『人間は生きて何かを伝え残すことが出来ます。』
日本の歴史も紙に記すことで長い間文字が書き留められてきました。
単独ではなくいずれかの時期に表装・装丁され時代を経てきたのです。
保存する為には、表装という技術がとても大事なことです。
お客様の家系譜の想いが人から人へ伝わると共に私たちの技術も
未来の職人へそしてまたお客様へ。繋がり受け継がれていきます。
これからもお客様から様々な事を教わり
現代にあった形を常に考え提案していく和生堂でありたいと思います。